春に思う・・・
春に思う・・・
5月3日、4日に東京都練馬区「光が丘公園」で開催されるモンゴルのお祭り、ハワリンバヤル2009のホームページに掲載されているモンゴル留学生会会長のゲレルトの一文が気に入っています。
・・・ところで「春」というと、日本では桜が咲き、学校に入学したり会社に入社する時期というイメージがあります。モンゴルの春は一年の内で大自然の移り変わりが一番激しい季節で 、生き物たちが生き残りをかける「試練の時期」です。しかし、地面から新しい草木が芽生え始め、家畜の子たちが生まれて来る、新しい始まりの季節でもあります。
Ts・ゲレルト ハワリンバヤル2009実行委員長
【ハワリンバヤルHP】
http://harumatsuri.net/index.php?page=main_jp

そう、モンゴルの「春」(Хавр)は気温の変化が激しい一番つらい季節とも言われており、3月、4月であっても外は-0~-20℃の間をさまよい寒暖の差が激しい季節です。厳冬を越し、出産を経験した家畜の体力は極端に弱まっているため「春Хавр」の季節の変化は家畜の生命を脅かす大敵となります。
このような春をモンゴルでは「一年のように長い一日で、黒いお茶を飲む季節」と表現するようです。
「黒いお茶」とはХар цай(ハル ツァイ)のことでсүү(牛乳)の入っていないお茶のこと。紅茶みたいなものなのですが、сүүтэйцай(スーテイツァイ)を愛飲するモンゴル人にとってсүүүгйцай(牛乳の入っていない茶)となるХар цайは、つまり貧しさの象徴です。「一年のように長い一日で、黒いお茶を飲む季節」の春はモンゴル人にとって貧しいイメージが付きまといます。

しかし一方で、上記のゲレルトがいうように「春:Хавр」は家畜の生まれる季節でもあります。遊牧民にとっては一家の財産が増える最大の喜びの季節。貧しい「春」を帳消しにします。

■【写真】мал төллөx(家畜が子供を産む)。産まれたばかりのямаа(ヤギ)。
モンゴルの春の外気は-20度と冷たく、生まれたばかりの家畜はすぐ凍死してしまうのを恐れ、冬営地ゲル(レンガで造られたゲル)の中で出産をさせしばらくの間、母親とともに育てられます。
この母ヤギはひと冬を越したわりに太っています。きっと裕福な牧畜の家で育てられ、「小麦フスマ」を摂取できていたためと推察できます。
出産を終えて堂々としたこの母ヤギの表情。感動しました。

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