Хаврын баярにて−日本軍がおじいちゃんを殺しにきたの−
Хаврын баяр(ハワリンバヤル)開催中にモンゴル人留学生から衝撃の言葉を聞くことに…。
モンゴルは日本と戦火を交えていないアジア諸国の唯一の国であり、日本が謝罪を必要としない数少ないアジアの国というイメージを私は持っていただけに、モンゴルと日本との過去の戦争について考えさせられた。

確かに、モンゴルは1945年8月、第二次世界大戦終結前にソビエトとともに日本に宣戦布告した。日本軍が駐留した満州・内モンゴルに約8万人の騎兵で参戦したようだ。ここでのモンゴルはソ連を後ろ盾にし、日本軍によって侵略された失地回復のレジスタンスの位置づけになるだろう。

第二次世界大戦後「冷戦」状態に突入し、ますます日本・モンゴルの間に国交樹立の余地はなかった。この間、モンゴルではソ連に次ぐ二番目の社会主義国としてソ連という強国との関係強化に努めていくことになる。この頃からモンゴル文字は「キリル文字(ロシア文字)」で表記されるようになり、チンギスハーン時代からの縦文字は排除されることとなる。

永らく冷え込んでいた日本との関係だが、モンゴル国からの内なる声により、1972年2月11日、モンゴル国会(人民大ホラル)にて日本との戦争状態を終結させる布告がなされ、2月24日に日本・モンゴルの国交が新たに樹立される運びとなった。
過去の両国の戦争に対してどのような理解が必要なのか。日本とモンゴルの両国の認識はこうなっている。
◆第二次世界大戦前の戦争について、日本はモンゴル国を中国の一部として捉えていたためモンゴルとの交戦の意識はない。よって、モンゴル国と日本に過去の戦争による遺恨はない。

国交樹立後、日本の円借款などモンゴルを経済的側面で支援する草の根的活動が功を奏し、モンゴル国の対日感情は非常に良好なものとなる。そんな中、1991年、大国ソ連の崩壊。モンゴルは西側諸国との関係強化の必然性が生まれ日本とのパートナーシップを積極的に展開させていこうという意思をもつ。また日本は小泉前首相の訪問など、資源外交を通じモンゴルとの関係強化をすすめていく。相思相愛の関係は、これまで以上に日本とモンゴルの関係は強化されていくことだろう。
そういえば、今年のХаврын баяр(ハワリンバヤル)のスローガンは「みんなでつくろう、モンゴルの明日」だったけ…。

■写真は、Хаврын баярでみかけたモンゴルの油絵。

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